Quartetto!

当ブログは、オンラインRPG「エミルクロニクルオンライン」のクローバーサーバーで活動する、 間抜けなキャラクター達の日記とか絵とかまぁあれこれです。

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英語適当。
使いまわし。

3日連続更新・最終回スペシャル!
三日目「そして、次の物語へ」
ファクトさんの過去話を描いたSSシリーズがついに今回の一連の更新でファイナル。
3日連続で更新される最終話をお楽しみ下さい!最終日です!!

【注意】
この記事は前日の記事の続きになります。
初めてお読みになる方は前の記事をご覧になってからお楽しみ下さい。




















魔物が少女のノドを食い破ろうとしたまさにその時。
オレ、ファクトの放った斬撃は間一髪で魔物の頭に直撃した。

リザードキングは、胴体から上の部位を完全に失って、絶命した。
一瞬の出来事だった。

オレは、なんとか少女を救う事ができたのだ。
自分の信じる「勇者」に恥じない行動であったと、思える。
先ずは、すぐに駆け寄ってあの子を落ち着かせてやらないと。
自分の痛む脇腹は気にせず彼女に近寄っていくと、









挿絵5


「私の生きる意味がなくなってしまいました…」




ツボから顔と両手だけを出したまま。
綺麗で長い黒髪を、魔物の血で赤黒く染めたこの女の子は、
大きい瞳をさらに大きく見開いて、こちらを真っ直ぐに見据えて、
聞いたこっちがあっけにとられるような間の抜けた声で、そう言った。

背筋から、スッと血の気が引く感覚が走った。

今までの生をこの日、この時の為だけに生きてきた、
そう生きる事を教えられ続けてきた少女の使命にして、生きる意味の終着点。
それが果たされる時を目の前にして、消失した。
そんな心境なんて、オレには想像もつかない……
この子の瞳が、オレを責めているようにも、助けを求めているようにも見えた。


「意味なんて…これからの人生で考えりゃいいじゃねえか。」


少女の視線に耐えられなくなったのかもしれない。
オレはひとまずそう言って返した。
全身から力が抜けて、オレはため息とともに彼女の肩を叩いた。
赤黒い魔物の血が手のひらにベットリ付いた。



「帰ろう。その似合わない化粧を落とさないとな…」

「……」


オレは、彼女の両わきを掴むと、ツボから引っ張り出した。
自分のマントを外して、彼女の身体に巻いてやる。
髪の毛や顔の血はおびただしい量が付着していてどうにも出来そうにないが、
ひとまずは服にベットリついた赤だけは、これで隠せそうだった。
よく、こんな寒いのに布切れ一枚でツボに入っていたものだ。

手を引いてやると、彼女は何も言わず、オレについてきてくれた。
ずっと彼女は、大きな瞳でこちらをじっと見つめていた。













村では、村長と十数人の住民がオレを待っていた。
峠の方面からの村の入り口に軽い人だかりが出来上がっている。
脇腹を抱えながら戻って来たオレを見て、村長はパッと顔を明るくし、
その後ろについてきた魔物の血にまみれた少女を見ると、みるみる顔を青くした。

オレは、どうしても村長と住民が視界に入ったとき、睨み顔を緩める事は出来なかった。
生贄の事を言わずに送り出したこいつ等は、オレをどう迎えるつもりだったのか。
すでに魔物がそこにいてくれると、思っていたのだろうか。
勝手な想像は膨らみ続けていた。


「ファクトさん…、ご無事で、なにより…。」


村長が引きつった顔でオレに声をかけた。
後ろに居る住民達は、少女を見てはドヨドヨと騒ぎ出している。
彼らの視線は例外なく、オレの傍らに居る赤黒い髪をした少女に向けられていた。
彼女は、困惑を隠せない表情で村人たちの視線を浴びていた。






―呪われている。


村人の誰かが、そう口にした。
すると、堰を切ったように口々に言葉が投げつけられてきた。



―ああ、その娘は呪われている。

―返り血を浴びた事で、今まで捧げられた子供達の恨みが宿るんじゃないか。

―恐ろしい。心が魔物となってしまうかもしれない。



口々に出任せが飛び交う。
30年間の生贄への依存、それは彼ら村人の救いであり、
同時にまた恐ろしいものでもあったのだろう。
捧げられてきた命に対する後ろめたさなのだろうか、それとも別の感情か。
村人達は完全にこの子を、恐怖の対象としか見ることが出来なくなっていた。

オレは、黙って村長達を睨みつけながら、その様子を見ていた。
少女は、何がなんだか分からない様子で、眼を泳がせている。
彼女の大きく可愛らしい瞳が、未だ体験した事の無い不安に揺れていた。


「…その子を、渡してはくださらないでしょうか。ファクトさん」


村長が声を発する。
オレは、彼らを睨んだまま言った。




「渡したら、どうするつもりなんだ。」


「………。」




………殺す。全員の目が、そう語っていた。

オレは、この少女の生きる意味を奪ってしまった。
ここでこの子を渡してしまえば、この子は意味の無いままに皆に恐れられ、
そして…殺されてしまうのだろう。
あまりに不憫で、あまりに救われない。

そんな事が、どうしてさせられようか。
自分の思い描く「勇者」は、少なくともそんな事は許せなかった。
許す事が出来る訳がなかった。


後は、何も考えていなかった。
脇腹がズキズキと痛かった。







「できねぇな。」

「な…!!」

「貢ぎ物は自由にして良い、って言ったよな?
この娘もあの魔物への貢ぎ物だった!
つまり!どうしようがオレの自由だ…違うか!?」

「そ…それは…。」

「この娘はオレが連れて行く。
安心しろ。お前等のほざく呪いの元凶は、二度と此処には戻らねェよ。」
















この子に、生きる意味を与えてあげたかった。
いままで生きてきて、何も与えてこられなかったこの子に、
人生の面白さ、世界の広さ、いろんな素敵な人々。
ありとあらゆる素晴らしいものを見せてやろうと、そう思った。
オレは少女の手を引いて、村を後にした。




















「…あの…」

「ん?」

「……いえ…。」

「ああ…悪かったな。
お前の意思とは関係無しに村から連れ出しちまった。」

「い、いえ…もう、大丈夫です…。」







街道をふもとの町まで歩く俺と少女。
ゆっくりと、お互いの感情を沈めるように、オレ達は話し合いながら歩いた。








「施設のみんなは、どうなるのでしょうか…。」

「呪い云々言い出したのは、あくまでそのご立派な化粧のせいだろ。
悪いようにはしねぇだろうさ。ギルドの視察団も事後処理で呼んだからな。」

「そう…ですね。そうだといいです。」






「…そういや、名前、まだ聞いてなかったな?
流石に名前も無いとか言うなよ?」

「つけてくれたのは施設の人ですけど…ありますよ。
私は、リアリといいます。【真実】って意味…大好きな名前です。」

「……。」

「?…どうしましたか?」

「じゃあ、俺等は、真実のコンビって事かな。」

「?」

「……オレはファクト、ファクト・カーテット。意味は、【真実】だ。
よろしくな…リアリ。」































…………………………





















「…くすくす、懐かしいですね…。」

「ああ、全くだ。」


ここは、ファーイーストシティの南、穀倉地帯。
自然豊かなファーイーストの農耕が最も盛んに行われる、アクロニアの食料庫だ。
久しぶりにリアリと散歩に出て、海を眺めながら思い出話に花を咲かせて。
気が付いたらすっかり夕暮れになってしまっていた。


「あの後、私を預かっていただくために、6年ぶりに家に帰ったんでしたよね。」

「そうそう、英雄のウワサは届いてたから生存は確認できてただろうけど…
オヤジにもお袋にもボッコボコにされたっけな。」

「本当に、私みたいな突然のよそ者に優しくしてくれて…
今でもいくら感謝しても足りませんよ。」

「はっはっは、俺の両親だぜ?何だって粋なことは通しちまうのさ。」

「くすくす、そうかもしれませんね…。」


俺はあれから大体10年かけて、故郷の大陸を完全に制した。
凶暴なモンスターの被害はほぼ出なくなったし、あの大陸の遺跡やダンジョンで
謎が解明されていないところは、すでに残っていない。
いよいよやる事もなくなった時には、逆に名声がうっとおしくなっていて。
名前を捨てるようにこっちの大陸に引っ越してきた。

リアリとゆっくり、静かに幸せに過ごす。
今は、それが俺の夢であり、憧れている自分の姿だ。

ライも、いい友達に囲まれて、最高に今の時期を楽しんでいる。
こんなに面白く、幸せな事はねェよ。

冒険は、若い者の役目だ。道を切り開くのは、成長していく子供の持つ力だ。
俺は、そういうヤツらの頑張りを、高笑いしながら見ていたい。
リアリと一緒に、ずっと見ていたい。



「ねぇ、ファクトさん。」

「ん?」

「…ええと…」

「ハハ、どうした?」


「………キス、してもいいですか。」

「お?リアリからとは珍しい提案だ。良いぞードンと来ーい!」


「くすくす…じゃあ………。」





























挿絵6




ありがとうございます。
私に生きる意味を与えてくれた……「勇者」さま。



fin.

長々と読んでいただき、ありがとうございました。
コメントお待ちしてます!明日は重大発表!!

2008.11.19 18:55 URL | ライ #vitxglkA [ 編集 ]

ドリル更新&親父SS完結、お疲れ様でしたぁ!
>>重大発表
アニメ化ですねわかります、おめでとうございます
そして明日発表予定なのに先に言っちゃってすみません

2008.11.19 19:49 URL | 佑 #- [ 編集 ]

・・・・・・ゲーム化?

2008.11.19 23:31 URL | フシギの774 #- [ 編集 ]

父様編完結 お疲れ様でした
ファクト父様がやたらと格好よすぎるんですが
流石は英雄 今の軽さは酸いも甘いもかみ分けたからなのですね


……OK つまりは大河ドラマ化ですね
NHKの重い腰を上げさせるQ!に驚きを隠せません
脚本・ジェームス三毛とのコラボは見逃s(タイムリミット

2008.11.19 23:45 URL | シア #X.Av9vec [ 編集 ]

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2008.11.20 00:28  | # [ 編集 ]

超大作御疲れ様でした。

王道な英雄譚かと思いきや、魅せてくれる運命的な出逢いにホロリ。
ひたむきに勇者に憧れ、妥協せずに歩み抜いて辿り着いた結果が今のファクトさんであり、リアリさんやライくんといった家族なのですね。
きっとファクトさんは、今もライくん顔負けの少年の心を持ってるんだろうなぁ……(遠い目


ところで最後のイラストなんか背景とあいまって素敵にエロスが溢れてるような気がするんだ(

2008.11.20 02:26 URL | たゆと #- [ 編集 ]

ファクトさんの過去話は最終回。
次回からはファクト&リアリの真実コンビの過去話が始まるんですね。

重大発表……
ついにケミカル☆ライ子が映画化ですね。
DVD販売の予定はありますか?

2008.11.20 16:01 URL | 緋燐凰月 #- [ 編集 ]

重大発表って何でしょう?
ファクトさん勇者ストーリー感動しました
ただ、ちょっとひっかかったのが
ファクトさんロリコ(ry
あ、誰かきたようです
リアリさんにはいけにえのためにそだてられたというかなしい過去が
あったんですね、優しい勇者様に救えてもらってよかったです
前のお姉さんたちのぶんまで強く生きてください

2008.11.20 20:27 URL | ほたて #- [ 編集 ]

ファクトさんに本気で惚れそうだぜ…

リアリさんの過去に驚かされつつファクトさんに救ってもらえて良かったねと心の底から思う…幸せならなお良いこと。ええのぅ、ええのぅ。

いい物語をありがとう!こういうの好きだぜ

そして、空気はクールに去るぜ(

2008.11.20 23:07 URL | yuijin #DlHBifOA [ 編集 ]

>佑さん
ドリル更新&完結、おかげさまで達できました。
コメントどうもありがとうございます!
重大発表のくだりは、バッチリ使わせていただきました。
THE・事後承諾。

>フシギの774さん
そう!ゲーム化です!(
そういう感じで使わせていただきました。
ナイスなネタ振り、ファインプレーでしたぜ!
コメント感謝!

>シアさん
コメントありがとうございますッ!
昔が凄かったからの今、という親父殿でした。
本当はかっこよかったんですよ、的な(

大河を持ってくるとは思いませんでした。
数時間後、そこには意気揚々と画像を準備する管理人の姿が!
世界丸見えQ!来週もお楽しみに(

>○○さん
全俺が泣いた貴方に全俺が泣いた。(難しい
コメントグラッツェございます。
リアリさんは方々でウケが良かったです。ツボ幼女。
歌って踊れる管理人を目指します。
嘘、踊りません。
踊りませんよ?(

>たゆとさん
大作かどうかは置いておくとして、頑張りました。
コメントありがたやありがたやございます。
ひねくれた話のつくりが某「キノ」っぽいと噂の今作。
最後にはキッチリハッピーに収まる辺りに性格がでますね。
少年の心を持った最強の大人。こわや。

え、エロくないよ!
エロスレラったらまたそんな想像して!(

>緋燐凰月さん
コメントアリアリです。
次回からはファクト&リアリの…
まったく考えていませんでした(
もしご要望をいただけるのであれば、
まったりと話から考えていこうかとは思いますが…
正直、面白い事はなさそ(略

映画化です。この流れ秀逸。

>ほたてさん
勇者は他人の評価から得られるもの。
その最初の誓いを見事、伴侶から得ることが出来たのですね。
男は誰かの勇者でありたいものですね。
たとえロリコンでm(ドグシャアッ

最後の一行、前のお姉さんたちの分まで…のコメントにウルッ。
30年分の犠牲の上に立ってる命、大切にしてほしいですね。
コメントどうもありがとうございました!

>yuijinさん
コメントありでっす!
本気でほれたらウホッなのでご注意を。
リアリさんはただのママかと思ったらいろいろありました。
具体的にはツボ幼女。これ流行らないかな(無理

クールに去る空気は、まさに空気として溶け込んでいくようであった…
第1部 完。

2008.11.21 11:08 URL | ライ #vitxglkA [ 編集 ]













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